輸創企業

株式会社ヤマウチが製作協力した"巨大うなぎパイトラック"が各地をキャラバン

有限会社春華堂の取締役副社長 山崎 貴裕氏
 うなぎパイ50周年の今年、同社では様々なイベントを企画・実施してきたが、その中でもメイン事業と位置付けられているのが"巨大うなぎパイトラック"による各地へのキャラバンだ。このキャラバンカーには、全長6mあまりのうなぎパイの模型が搭載され、イベント来場者はもちろん、その道中で道行く人々に驚きと笑顔を与えている。
「普通うなぎパイは、お土産としてお越しになった皆様に買って帰っていただくものです。そこで今度は、ご愛顧への感謝の念をお伝えするために私どもが皆様のもとへ伺おうと考えたのです。この車の製作と運用には、ヤマウチさんにお手伝いしていただいています」
 株式会社ヤマウチは、静岡近県への輸送と配送センター事業を行なっている輸送企業。うなぎパイは沼津・名古屋への輸送を手掛けている。
 巨大うなぎパイトラック製作の経緯について、株式会社ヤマウチの代表取締役社長である山内良友氏は、感慨深げにこう振り返る。
「50周年記念事業のお話を伺っている時、ちょうど山崎副社長に当社の配送センターにお越しいただきました。そこで積み上げられていた荷物を見ている時に出た『このサイズのうなぎパイがあったら、迫力があるね』というやりとりから、今回の話が生まれました。それがきっかけとなって、この車の製作をスタートさせたんです。最初は発泡スチロールで6mの模型を作り、当社の車両に載せてサイズを検証したり、いかにキレイに見せるかということも重視して、車両側面のアクリルをどのように作るかなどについても、試行錯誤を繰り返しました。当社は、とにかく50周年記念事業に参加させていただけたことが何より嬉しかったですね。そして言わば未知の世界へのチャレンジという意味で、いいチャンスをいただけたと思っています」
 キャラバンの目的地は東海エリアに加え、東京・埼玉・兵庫など。商品としてのうなぎパイを運ぶトラックとイベント資材も積んだ巨大うなぎパイトラックが2台連なって走行する。なかには、携帯電話で写真を撮ってツイッターやブログに掲載する人もいるそうだ。またうなぎパイファクトリーに駐車している際には、小学生が車を囲んで記念撮影をするなど、本物のうなぎパイと同様に多くの人に親しまれているという。
 巨大うなぎパイトラックによるキャラバンを始めとする50周年記念事業の様々なイベントは、製造部・総務部・営業部と部署横断で人選されたプロジェクトチームによって企画された。年次も問わず、新人従業員による消費者視点が新たなアイデアのヒントになったこともあったという。そしてここに、株式会社ヤマウチも外部企業としてコラボレーションすることで、多くの人を惹きつける素晴らしいイベントが生まれ、そして成功したのだ。
 50周年の年を振りかえり、山崎副社長は次のように語る。
「うなぎパイは今後も変わらぬブランド戦略を貫いていきます。2012年夏の新東名高速開通にも新たなビジネスチャンスを見出しており、新たに建設される浜北IC近くに新しいファクトリーを計画しています。そこではうなぎパイのみならず、新しいお菓子の創作にもチャレンジし、それらを通して感動や喜びを提供できる会社を目指したいですね」
 ちなみに、もともとすべての輸送を自社で行なっていた春華堂は、先述した通り沼津・名古屋への製品輸送を株式会社ヤマウチへ委託している。この委託により、山崎副社長は会社拡大に伴う新事業への自社人材集中が可能になると利点を感じているという。
 しかし同時に、取引先の店頭在庫から最適な納品数を割り出して納品する方針の春華堂においては、ノウハウを持つ自社乗務員が輸送を行なうことの利点も感じているという。これは、営自転換を目指す輸送事業者にとって付加価値追求のヒントとも言えるエピソードではないだろうか。


うなぎパイや包装ビニールの質感がリアルに再現されています。

気温の高い真夏には、冷凍機で庫内を冷やし、巨大うなぎパイを暑さから守ります。


株式会社ヤマウチはIT化の進んだいまこそ"想い"も届けることを重視

株式会社ヤマウチの代表取締役社長 山内 良友氏
 最後に、うなぎパイ50周年事業の成功に一端を担った株式会社ヤマウチについて紹介しよう。同社のメイン業務は静岡近県への輸送と配送センター業務。いま山内社長が重視しているのは"目に見えないもの"だという。 「IT化が進んだことで、見えなくなってしまったことがあると感じています。例えばEメール一つとってみても、ぶっきらぼうに伝わってしまったり、怒っているように誤解されてしまうこともあります。私はよく手紙を書くのですが、びっしり手書きで書くと、きちんと伝わるんです。輸送もそれと同じで、ただ物を置いてくるのではなく、荷主様の気持ちごとお届けするような、そんな姿勢が重要だと思っています」  また、顧客とのコミュニケーションについては次のように語る。 「時代性なのか、お客様とのコミュニケーションが淡白に陥りがちなのではないかと思っています。すぐ結果を求めすぎ…。例えば費用で折り合いがつかない事があると、そこで即、関係が切れてしまうような傾向がある。それでもコミュニケーションをしっかりやっていくことで、ご縁を残すことも大事だと考えています」

選ばれる企業になるために
 同社では、乗務員が入社後ワンマン運行のステップへ進む前に「導入研修」を行なっている。その研修では最後に「経営方針に賛同できるかどうか」と問うのだという。その問いかけは"ヤマウチのブランド化"に主眼を置いたものだ。
「当社は輸送という『サービス』を売る会社です。それは目に見えない商品ですから、写真に写すことはできません。そこで従業員一人ひとりの振る舞いや態度など、何でもいいからブランド構築に繋がるものを作ろうと強く掲げているんです。そうやってブランド化ができれば、お客様から指名され、選ばれる会社になることができると考えています」


株式会社ヤマウチ本社。
配送センター・倉庫が併設されています。

株式会社ヤマウチのオフィス。

6mの巨大うなぎパイの発想は、株式会社ヤマウチの倉庫に保管された商品から生まれました。


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