輸創企業

りゅうせきから分社化した危険物物流のエキスパート

代表取締役社長 上原 史久 氏

りゅうせきネットワークグループの企業精神と行動指針
 株式会社りゅうせきの創業は、まだ沖縄県がアメリカの統治下にあった1950年のことである。石油及びガス製品などの販売事業を展開するなかで、戦後の沖縄県の経済復興に大きく寄与してきた。県内6カ所に設けた石油基地による備蓄・供給体制が、県民の生活基盤と、企業の産業基盤を支えている。さらに近年は、エネルギーの安定供給をコア事業としながら、積極的に経営の多角化を図り、グループ企業12社からなるりゅうせきネットワークグループ(IT関連事業・不動産関連事業・観光関連事業・飲食事業等)を形成。創業者精神である「社業の公共性」を共通の企業理念として掲げ、各種事業に邁進し、地域の発展に貢献し続けている。
 企業ロゴマークの赤い渦巻きは、創業時からの「社業を通じて社会に貢献していく」という企業マインドが未来へのびていく様を。それを支える力強く伸びた足は前進する力を。その全体的な人のイメージは、人を大切にするという企業精神を。そして放射状の緑の点は地域社会を。りゅうせきの企業精神である「地域」「人」「未来力」を表現しているそうだ。
 2001年12月、りゅうせきの物流部門を分社化し、新たに株式会社りゅうせきロジコムが設立された。りゅうせきネットワークグループ8番目の企業である。同社の代表取締役社長を務める上原史久氏に、物流企業としての役割についてお話を伺った。
「石油やガスは危険物ですから、安全に運ぶには専門的な知識とノウハウが必要です。当社は、石油・ガスなどの製品を取り扱う物流企業として、その専門性を高めることで、多くの離島を抱える沖縄全域に安全かつ効率的にエネルギーを供給する使命を果たしています。“安全はすべてに優先する”を企業理念とし、作業と運行の安全、無事故・無違反を徹底し、業務に取り組んでいます」
 現在、同社は沖縄本島に石油・ガス製品を取り扱う物流センター4拠点を構えると共に、潤滑油などを取り扱う糸満物流センター(2017年11月開設)を運営。また、航空機のジェット燃料を取り扱う物流センターを宮古島と石垣島に有している。保有車両は100台を超え、県内の給油所や販売店への配送をはじめ、発電所や事業所などへの大口輸送、石油・ガスの充填作業、潤滑油などの配送に加え、石油類の給油施設及び貯蔵施設の保守なども行っている。独自の技術とノウハウによって、エネルギーの安定供給を実現しているのだ。

りゅうせきネットワークグループ(12社)

危険物の物流を担うスペシャリストを育成

取締役 管理・企画担当部長
山城 新 氏
 そんな同社が事業活動を展開していく上、最も注力してきたのがスペシャリストの育成である。石油とガスを取り扱える人材育成(多能工化)に努めてきたという。同社では、危険物取扱者、高圧ガス販売主任者、大型車免許(一種または二種)の取得が必須。さらに各部署で必要とされる資格(消防設備士、高圧ガス製造保安責任者、丙種化学等)についても取得するように奨励。資格取得の難易度に応じて、奨励金を支給する資格支援制度を設けている。
「資格取得は、法令で定められているということもありますが、社員がスキルアップすることで、勤労意欲と自信を高める効果があります。さらに、スペシャリストであるという自覚が仕事に対する責任感を育み、職業人として成長を促します。
 ちなみに当社では、航空産業を支援する航空機の給油業務も請け負っています。ただし航空機のジェット燃料は、必須資格に加えて、専門資格を持った者しか給油ができません。しかも、機種ごとに資格を取得しなければならないため、会社としても、積極的に有資格者の確保に努めています」
 と語られたのは取締役管理・企画担当部長の山城新氏。もちろん同社では、新入社員を対象とした研修会をはじめ、リーダーを育成する研修会や職種・部署・階層別の研修会なども実施。さらに組織の垣根を越えて、グループ企業の連携強化を目的とした研修会のほか、事務担当者(主に女性)を対象とした研修会も行っているという。
 こうした人材育成は確実に成果を上げており、同社のドライバーは、全日本トラック協会が主催する「全国トラックドライバー・コンテスト」の沖縄県代表に5年連続で選ばれている。県大会においても、同社のドライバーが各部門で優秀な成績を残しているそうだ。また社内では、石油・ガスの取り扱いに求められる安全作業を競う「デリバリーコンテスト」を開催するなど、配送技術と接客マナーの向上に取り組んでいる。ところで、今期同社が掲げているスローガンは、作業基本動作における「凡事徹底(ぼんじてってい)」である。何でもないような当たり前のことを当たり前に行うのではなく、基本作業を継続して徹底的に行うことで、確かな技術と知識を身につける、ということである。
 そんな同社の社員は、業務に精通した30〜40代の中堅・ベテランが多い。しかし最近は、将来的なことも考慮して、高卒者を積極的に採用しているそうだ。次世代の人材を育成していくことが、同社の直近の課題だという。


スローガン「凡事徹底(ぼんじてってい)」に取り組み、エネルギーの安定供給を実現

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