輸創企業

矢板新センターが稼動 ロジサポートを法人化

代表取締役社長 髙野 和久 氏
髙野商運グループの事業
 関東1都6県を網羅する共同配送システムを構築し、事業を拡大したきた髙野商運グループ。現在同グループは、倉庫事業及び共同配送を展開する(株)髙野商運を中心に、貸切・チャーター便を専業とする髙野総合運輸(株)、ローリ輸送(窒素ガス)を請け負うさくら流通(株)、農業生産法人の(株)和みの杜、そして、2017年10月に法人化した(株)ロジサポートを含む5社で形成されている。
 先代から受け継いだ運送事業を破竹の勢いで成長させてきた代表取締役社長の髙野和久氏。3年前に本誌で、その破天荒な経営手腕を紹介したが、今回新たに自前の物流センターを建設したということで、あらためて同社を訪問した。
 名称は矢板新センター。東北自動車道の矢板ICと国道4号線と至近に位置する矢板南産業団地(栃木県矢板市)に建設されている。敷地面積は約53,000㎡、中央の高床式センター棟(建物面積:9,443㎡)に加え、敷地内にキュアリング貯蔵施設を備えた定温倉庫棟(建物面積:2,099㎡)を有する。同センターはグループ企業3社4事業部の配車機能を集約。2017年10月より髙野商運グループの中核物流拠点として運営しているそうだ。現在、高床式センター棟は、在庫保管・通過型共用の配送センターとして、主に量販店向けの雑貨や食品などを取り扱っている。定温倉庫棟は、県内外の様々な農産物の保管倉庫として活用される予定だという。
 また同センターは、ロジサポートが手がける軽貨物事業「T-BOX」の配送拠点として機能する。ロジサポートは、2017年11月より軽車両30台で栃木県矢板市・さくら市・宇都宮市北部をエリアとする小口便、宅配便、集荷業務をスタートさせている。
「物流センターの建設は、かねてより計画したきたことであり、また、軽貨物におけるニーズの多様化も想定していたことです。TC型とDC型双方に対応できる物流センターの構想を掲げて約8年。ようやく自社のプランどおりに運営できる物流拠点を完成させることができました。また、これを機に髙野商運の事業部門だったロジサポートを法人化し、軽貨物に特化した事業体制を敷きました。宅配事業で問題になっているラストワンマイルの最終的な受け皿とするためです。ここで、我々のような地域の運送事業者が踏ん張らないと、宅配システムは崩壊してしまいます。誰かが、やらなければならないことなんです」
 と語られた髙野社長。人材不足、長労働時間、低料金、再配達などの問題が山積する宅配事業。すでに大手事業者だけでは問題が解決できなくなっている。髙野社長は、早くからこうした状況を見通しており、まず地元の栃木県で軽貨物事業の実績を積み上げてきたのだ。


矢板新センター・オフィス(栃木県矢板市)

県内初のキュアリング貯蔵施設

取締役統括部長 荻原 勝伸 氏
 今回完成した矢板新センターの特徴を挙げるなら、定温倉庫内に県内初のキュアリング貯蔵施設を設けたことであろう。キュアリングとは、主にサツマイモなどの根菜類を長期保存・熟成させるため、庫内の温度・湿度・気流をコントロールする貯蔵システムである。同センターを案内してくださった取締役統括部長の荻原勝伸氏の話によれば、他の農産物の保存に応用することも可能なことから、すでに多くの問い合わせが寄せられているとのこと。現在は、和みの杜で生産した根菜類を保管しているそうだ。栃木県は全国でも有数の農産地であり、キュアリング倉庫の需要拡大が見込まれているという。ところで3年前に野社長が「農業で地元を元気にしたい」という想いで設立した和みの杜は、栃木県さくら市の離農者所有の農地を活用して季節ごとに農産物を生産。食品加工メーカーやレストランなどへ出荷しているほか、オリジナル加工食品の開発・生産・販売も行っているそうだ。農業体験や貸出農園も盛況で、地元の農業振興及び雇用促進に貢献している。


キュアリング貯蔵施設

矢板新センター(栃木県矢板市)定温倉庫

Back   2/3   Next