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過去にご紹介した事例
だからウチは最適車

東西が気持ちを融合させて目指すは品質経営

代表取締役社長 奥賢二郎 氏
 東京都墨田区に本社を置く明治ロジテック株式会社は、今年4月に新たなスタートを切ったばかりの会社だ。その前身は、東京都の東京牛乳運輸株式会社と大阪府の株式会社カントラ。それぞれ東西で、明治乳業株式会社の関連会社として製品の輸配送を手がけていたという。
「元をたどると、昭和28年に東京牛乳運輸が関西に進出する際に設けた新会社がカントラでした。だから、再びひとつに戻るともいえますね」
 と、代表取締役社長の奥賢二郎氏はその歴史を説明された。
「時代を経て、別会社でやるメリットが薄らぎ、一方で東京・大阪間の幹線輸送が中部で分断されるなどといった弊害が目立ってきました。グループ内の物流機能を統合して、全体最適化、効率化を目指した合併です」
 合併後は従業員数500名、保有車両台数は290台を数える規模となった。
「兄弟会社とはいえ東西に分かれた別会社。文化や社風が異なり、足並みをそろえるのは思っていた以上に大変でした。また、突然会社が大きくなったことに対する困惑も、従業員にはあるようです。だから私は社内に対して、『昔のことはいい、新しいトライを重ねて、皆で新しい社風を創っていこう』と呼びかけています」
 と、奥社長は続ける。社内の気持ちの融合に向けて、掲げられた行動指針は「挑戦と自立」「正精進」「相互信頼と感謝」の3つだ。
「他にChange! Challenge! Creation!という言い方もしていますが、意味するところは同じです。東西どちらにも伝わるよう言い回しを変えています。この指針に基づく行動で目指すのは、お客様の満足を第一に考え、常に品質向上に挑戦する『品質経営』です」
 具体的には「5つの品質」の向上を心がけるように促している、と奥社長。
「冷凍冷蔵輸送を手がける物流業に求められているのは、数量・品質・時間・温度・態度の5つの品質です。依頼どおりの数量の積荷を、その品質を保持したまま、定められた時間で、規定の温度で運ぶ。単に運ぶだけでなく、お客様に対する態度も重要な要素です。この5つの品質向上を徹底することが全てといっても過言ではありません」
 同社が扱う積荷は、明治乳業の食品がおよそ8割を占めている。
「牛乳や乳製品は温度の変化に極めて敏感です。そのうえ衝撃にも弱い。品質へのこだわりは、これまで手がけてきた業務、そして積み重ねた実績とも密接に関わるものです。今後は外食産業の配送など、ノウハウの蓄積が活かせる食品関連の業務に手を広げていきたいですね」
 と奥社長は今後の展望を語った。


東京都墨田区の明治ロジテック株式会社本社。

本社オフィス内。

社内には社是や行動指針が掲げられている。

画期的な冷却システム エコ・ランクールを導入

エコ・ランクール車を示すマーク。
 低温輸送に独自のノウハウを持ち、そのうえで新しいトライも重ねている同社が、現在導入を進めているのが、環境に配慮した冷却システム「エコ・ランクール」だ。
 これは、関西電力株式会社と株式会社前川製作所が共同開発したシステムを元に、明治ロジテックが実用化を果たしたもの。エコ・ランクール車は冷蔵車でありながら冷却用コンプレッサーを持たない。その代わりに備えているのが、蓄冷タンクとポンプ、クーラーだ。「ダイナミックアイス」と呼ばれる、シャーベット状の氷水を蓄冷タンクに蓄えておき、ポンプで循環させることで冷媒とし、荷室のクーラーで保冷を行うというシステムである。
 関西支店取締役支店長の高辰朗氏が詳しく説明された。
「元々は、冷媒の脱フロン化を図る狙いで開発してきたものですが、実際に形になると他にも様々なメリットがありました。ひとつはまず、冷却にエンジンが不要という点です。店舗納品作業時などにエンジンを止めることができ、CO2排出量削減と騒音低減が図れました。4月から運用している13トン車で、燃費は既に16.5%改善されており、当面は20%を目標としています。」
 物流会社にとっては燃費改善そしてCO2排出量削減、荷主には騒音低減になる。それは店舗などの近くに住む人たちに対する配慮でもある。
 さらに関西支店次長の山田俊一氏が、構造面でのメリットを説明された。
「氷水を循環させるだけのシンプルな構造なので信頼性が高く、新しいシステムにありがちな初期故障もほとんどありません。従来の冷凍冷蔵機より故障が少ないほどです。保冷性能も従来の車両と変わらず、通常の運行に組み込めます。車両のイニシャルコストも従来とほとんど変わりません」


関西支店 取締役支店長 高辰朗 氏

関西支店 次長 山田俊一 氏

明治ロジテック株式会社関西支店。

エコ・ランクール車は冷却用コンプレッサーを備えず、蓄冷タンク内のシャーベット状の氷水(ダイナミックアイス)を循環させることで冷蔵している。

外見は通常の冷凍冷蔵車とほとんど変わらない。

専用の地上施設でダイナミックアイスの充填を行う。

エコ・ランクール冷媒充填施設のパイプ部分。

大型車につなぐパイプは注入用・排出用各2本、計4本。

青と赤で色分けされ、注入用・排出用がひと目で見分けられる。

冷媒充填施設は製氷機を備えている。

冷媒充填作業中のギガ。要する時間は10分程度。

冷媒充填システムの概要


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