マニュアルから学ぶ安全のモデルケース

女性乗務員の訓練は特別扱い? 安全運転管理アドバイザー 清水 昭 = 文
(輸送リーダー:2009年11月号)

4コマ漫画
4コマ漫画
イラスト = 奥田 孝明

女性乗務員の積極的な登用
営業所長のBさんは、安全運転管理者のCさんと二人三脚で営業所の業務に切磋琢磨しています。Cさんは以前、同社と同じ系列の自動車学校で技能検定員をしていたのですが、引き抜かれて運送部門の安全運転管理者になりました。
Bさんの営業所では現在、女性乗務員がいません。そこでBさんは、これからは女性の視点も積極的に組み込んでいくことで、さらに営業所の業務を活発にできるのではないかと考え、女性乗務員を積極的に増やしていこうと考えました。
同社は1チームを9名で構成する仕組みをとっており、Bさんは9名をすべて女性で編成したチームを作ろうと構想しています。安全運転管理者のCさんも、事故防止面での管理能力に優れた者がいたら抜擢して・・・などと考えて期待しているようです。
そのような将来の計画もあり、Bさんは女性乗務員が働きやすい職場を実現するため、「待合、休憩室・トイレ・化粧室」などにもきめ細かい配慮を行いました。
それからしばらくして女性乗務員が入社。徐々に業務にも慣れて、初めにBさんが期待していた通り、営業所にも良い影響が現れてきました。男所帯の中に女性が入ってきたことで何かと雰囲気が変わったのです。まず男性の身だしなみがきちんと整うようになりました。また、全体が礼儀正しくなったという意見もあります。結果は良好でした。

女性乗務員ならではの傾向がある?
しかしBさんは「これで万事うまくいく」と考えていたわけではありません。一般論としてよく聞くように、やはりトラックの運転に関しては、女性には苦手な部分があるはずだと考えていたのです。そのうち事故が起こってしまうのでは・・・と不安を抱えていたのです。
例えば、一般的に女性は「ジレンマゾーンが長い」とされています。信号は「青→黄→赤」のサイクルを繰り返しますが、黄色が出た時にドライバーは「行くべきか止まるべきか」と迷います。この迷う区間をジレンマゾーンと言います。男女いずれにもジレンマゾーンはありますが、女性は決断に迷いやすいとされています。
その他に女性の一般的傾向と言われているものとして、以下が挙げられます。
(1)用心深いタイプが多い(ノロノロ運転)
(2)縦列駐車などバックが苦手
(3)メカに弱い
従来、このようなことが言われてきました。
ところがBさんが営業所の女性乗務員の運行の様子を見ていると、どうやら直観的に行動する人もいるようで、女性のフライング(飛び出し)率も必ずしも低くはないようでした。つまり、運転行動において瞬間的に「思い切った」行動をするタイプの人もおり、先に挙げたような傾向は、必ずしも当てはまらないようでした。

  1/2   Next