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![]() (輸送リーダー:2010年11月号)
前回までに、原価要素として車両別にして明確に計算できる項目を解説してきました。今回は、その他原価項目の解説として、全日本トラック協会の経営分析データ(表1・表2)を参考にして説明します。
規制緩和後、営業収入は減収を続け、平成19年度からは平均値すらも赤字に転落しました(図1)。経営規模別(車両台数別)で見ると、100台以上保有のみ僅かに黒字が見られるのみで(図2)、まさに惨状です。これに追い打ちをかけるように燃料油脂費が高騰しました。
このような環境下で運賃をそのままにしていると、原価との乖離が生じ、結果としてダンピング運賃が相場を支配することになります。改めて、車両別原価計算の重要性を認識すべきでしょう。 今回取り上げる「その他原価項目」は、ドライバーに関連する項目と車両に関わる項目として、区分して解説します。 ドライバーに関連する原価 ●法定内および法定外福利厚生費 法定福利費は都道府県単位で微妙に異なりますが、一般的には14.5%から17.7%程度が賃金に加算されます。 法定外福利厚生費は、経団連調査によると、全産業では営業費用の4.8%に対し、運輸業では1.6%です。 ●任意保険料 ドライバーに関しては、搭乗者保険があります。筆者の調査では月割り経費にすると600円〜1,000円程度です。 車両に関する費用 ●施設使用料及び施設付加税 主に車庫費ですが、土地が賃借か所有かによって異なります。さらに賃借なら車両単位か一括借り上げかにより異なりますが、一括借り上げの場合に1台当りの原価を算出するには、車両別の投影面積(長さ×幅)が土地に占める比率で賃借料を割ります。 所有の場合は、借入金利や固定資産税の年間総額を、やはり車両別の投影面積が土地に占める比率で割ります。 ●事故賠償費 営業収益に対し、保有台数10台以下〜50台までは0.1%、51台以上は0.2%となっています(表2)。 ●道路使用料 本来は、顧客から別途収受が原則ですが、取扱いが難しい項目です。車両別に補助簿として勘定科目を設け記録すべきでしょう。全体では営業収益の3.7%程度です(表2)。規模が大きくなるに従い、2.1%から4.8%へと比率が高くなっています(表2)。 ●その他雑費 20年度の全体値を見ると、営業収益の10.9%です(表2)。ただし、ここに含まれている傭車費は、車両別で原価計算する場合には除外して考えます。20年度の営業収入に対する比率としては、[その他:10.9%-傭車費:5.6%]=5.3%となります。(これは修正計算が必要ですので、詳細は次回に計算方法を示します) ●一般管理費 規模により大きく異なります。全体では営業収益の13.5%ですが、10台以下が22.0%、規模が大きくなるに連れ低くなり、101台以上では:9.1%となっています(表2)。小規模事業者においては、運行管理者の人件費やアルコールチェッカー設置費用など、コンプライアンス費用が負担になることが要因と思われますが、小規模事業者が業界の70%を占めるわけですから、行政にはコンプライアンス違反の取締まりをさらに厳格化することで、正直者のコスト増を防ぐ対応が求められます。 次回からは、事例計算を中心にして車両別の原価計算のポイントを説明していきます。 |
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